ミドリノカーテンノイエ
埼玉県, Japon
- Architectes
- オーガニックデザイン
- Lieu
- 埼玉県, Japon
- Année
- 2013
~Green Screen House~
この住宅の設計では、街区や外部の関係性から設計から始まり、ひいては内部の空間領域の工夫とうまく繋がるように設計を心がけた。
まずこの街区に従前のバラ畑を楽しみにしていた地域の人たちに、同じようにこの場所を通る楽しみを持てるような場所性を踏襲し、従来通り地域の人が足を留めて草木やバラを楽める庭と建物の「建ち方」を考慮した。
道路と隣接している山桜は保存し、新たに道路と敷地の境にバラの垣根を配し、敷地外から風を庭に引込み、庭が「風」によって植物を害虫から守られるように庭と建物の配置を考えた。
そして、その「風」を利用して室内に涼しい風を引き込む仕組みとして緑のシェードであるミドリのカーテンを配し、建物をカーブに曲げることで風が室内に取り込みやすく、内部でも風通しが行き渡るようにプランニングした。
■壁を曲げることで「壁ではない仕切り」を作り出す
家族(4名)の気配を常に感じられるように、空間を一体としながらも、視線は遮られる工夫として、今回は「カーブした壁」を採用した。『壁を曲げることで(視覚的)仕切りにする』しかしながら『実際には空間は繋がっている』のでちょっとした気配や声などは一人一人が感じることができ、家族が常に繋がっていられる空間を実現した。また、カーブの壁によって、来客時にもベッドルームなどへの視線が入らないになっている。
インテリアの領域性
空間が、まっすぐな壁で構成されると、心理的にその空間の利用を想定した領域性が輪郭形成されがちである。例えば四角い壁に囲われた部屋があり、机や家具が並ぶと心理的に通路部と机・家具部の「領域(性)」を心理的に区分けしてしまう傾向がある。
一方で、カーブしている壁で構成されると、「通路部」という区分輪郭が心理的に形成されにくく、空間全部を1スペース(1部屋)として認知する。
つまり、そういった「心理的な領域別け」を薄めるため、「カーブの壁」を採用することにより、領域と領域に一体性を持たせ、2領域を1空間と感じられるように配慮し、通路との区分けがない、一体としての空間認識ができるような設計をチャレンジした。
そして、加えれば外部のミドリノカーテンを利用し多様な空間認識を生み出しており、通常の室内の広さよりも、外部の空間も取り込んでいるように心理的に感じられる広さ感を得られている。これもカーブの壁が「心理的な領域別け」を薄める効果があるからだと感じた。
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