医療法人 雄久会 奥村病院・ひかりケアホーム

福井県, Japon
Photo © Satoshi Asakawa
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Architectes
工藤和美 + 堀場弘 / シーラカンス K&H
Lieu
福井県, Japon
Année
2018

この計画は、もともとこの地区の別の場所で、病院、老人保健施設、デイサービスなどを運営していた医療法人が建物老朽化と地域社会への新しい貢献を意図して、移転改築したものである。以前は同じ敷地の別建物で運営していたものを、訪問介護、地域連携などともに一体化し、運営の合理化をはかりながら、より複合的・横断的に医療・介護の地域における拠点として整備するというコンセプトのもと計画されている。いずれ、人口減少の中で、医療介護施設は淘汰の時代に入るとも想定されていることから、より魅力的で、地域の街づくりの拠点としてもなくてはならない存在となることが必要と言える。
一般的な病院は壁が多く「閉じた」印象となるが、ガラス面を多用することで、内部で行われている活動を隠さずに「地域に開く」。外来待合の北側を全面ガラスとし、建物北側から多目的室・リハビリ室を経て南側の公園まで見通せる視線を確保するなどしている。病室や療養室は2階以上に計画し、1階を外来・救急やリハビリ・デイケアに充てることで、動線を自然で合理的なものとしている。老健内の階構成としては、3・4階をユニット型個室に充て2階を従来型多床室とすることで、利用料に応じた居住環境を提供する。
外壁はECPにレンガタイルを現場貼りしている。無機質な外観にするのではなく、温かみのあるレンガタイルを特注製作し使用することで、どんよりした曇り空が多い北陸の環境に答えた。その表情とガラスの透明性が街並みへ積極的に参加し、地域とともに発展する病院・福祉施設となる。

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