塚口歯科クリニック
大阪, Japon
- Architectes
- 平岡建築デザイン
- Lieu
- 大阪, Japon
- Année
- 2013
"密集地に鮮烈なイメージを注ぐ
東大阪の弥刀という小さな駅。
塚口先生は幼少から住み慣れたこの地の医療に貢献すべく外来・往診・訪問診療を行う歯科医院を計画しました。
敷地は人通りの多い道から奥に入るところです。遠目にも興味を惹きつけわざわざ見に来てもらえるくらいのインパクトが強い外観が必要だと思いました。美術の関心も高い先生に喜んでいただける造形にてまちなみに活気を与えたいものです。
高さと角度がバラバラな白い箱に角度をつけてならべ内側に入り込む様子を想像してもらい内部空間に期待を抱かせるというストーリーを提案しました。
南の窓は住宅には良いのですが患者の居場所が固定されるクリニックや商業施設では直射日光ゆえカーテンやブラインドで遮らざるを得なくなり開放感が消えるゆえ狭く感じさせることにつながります。
窓をスリット状に絞り適度な光量にて塊を分割させ空間に浮遊感を与えることを考えました。夜の外観ではスリットから光が漏れて道との間に植えた灌木を照らしまちに潤いを与えます。
内部の平面計画も外部の影響を感じさせるものとしました。診療室1 診療室2 X線室 受付スペースを囲む各ボックスを外部の延長として内部にでてくる形態に則して平行や垂直ではなく角度をつけて配置しました。他の診療室やPC操作コーナーは内部ボックスの相対的外部となる隙間に配置しています。診療室を隔てる壁には小窓をつけ先生が他の診療室を見ることができるように配慮しています。
ボックスにて見え隠れする変化を街をさまようように楽しみ来院の度に新鮮な発見ができるように患者さんには空間の全容がつかみにくく構成しました。
診療室Aは高天井のボックス内部を木目で囲い先生お気に入りの真っ赤なチェアを配置しました。スリット窓からはまちなみが垣間見られます。正面下の窓の奥に設置されたミラーが道路との間の植栽を映しプライバシーを守りながら潤いを内部に引き込みます。隣の診療室は対照的に白一色で覆い壁の一面にガラスタイルを貼りました。出窓の底のガラスを覗くと同様に植栽を見ることができます。
受付は奥のカルテ棚と一緒に同じボックスにまとめました。カウンター背後のロゴはミラー加工の透明樹脂の切り文字です。スタンドライトと共に華やかなきらめきを放ちます。
診療を待つ方と会計を待つ方との距離を離して配置し人との距離感にて広く感じさせるようにしました。キッズスペースも設けた待合からは風にそよぐ樹木を楽しめます。
お年寄りも多い古い街なので歯科診療以外にも健康測定会イベントなども催しておられる先生。地域住民の健康を願い、充実した診療活動を送っておられることでしょう。
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