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建坪が10坪という都内市街地の狭小地に建つ2住戸3階建ての賃貸長屋。
北側斜線と道路斜線から生まれた家型ボリュームに、平面上にS字の界壁を設け東西に住戸を分ける。2つの住戸は平面的に点対称の関係となっており、中に入ると全てが同じ間取りとなっている。

界壁を斜めに配置することにより、空間に広がりを与え、高い天井高と相まって小さい建坪を感じさせない内部空間が広がっている。 また、水まわりの各スペースが必要十分な平面サイズを確保されつつ、居住スペースは最大限の平面サイズを確保できることにも寄与している。 各住戸には大きなトップライトと壁面いっぱいの 開口部が設けられており、登り天井や斜めの界壁を伝って様々なかたちの光と影が作り出される。

光と影の変化によって、そこに暮らす人は時の移り変わりを日常的に体感し、空間のやわらかい上昇感と相まって毎日が少し特別なものになる。 また、各開口部から入る直接光と間接光の関係は東西の住戸によって反転し、間取りは一緒ながらも空間の印象はそれぞれ全く異なる。それは各室の個性となり魅力となる為、部屋によって差別をせず、区別をすることによって同等の不動産価値としてみることが可能となった。

内外装共にディテール表現は極めて抽象化し、空間のみがそこにあるようにし、ここに暮らす人が光と空だけを純粋に感じられるようにデザインした。今後暮らす人によって、空間が色付けされ、各々が少し特別な日常を過ごしてもらえたらと願う。

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鷹番の長屋

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Sede
東京都目黒区, Japan
Anno
2014

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