子ども神輿のペーパークラフトキット
プロジェクト一覧に戻る- 場所
- Tokyo/New York, 日本
- 年
- 2018
日本には、お神輿と呼ばれる移動式の神道の建築がある。
お神輿は、お祭りの日だけ蔵から出して清められ、神霊を乗せ、民衆がそれを担いで地域を巡る特別な建築だ。そのお祭りは、米作文化を起源とする祭事で、春の田植え時期の豊作祈願、秋の刈入れ時期の収穫感謝、といった季節の節目の祭事として日本の人々に受け継がれている。
そんなお祭り体験ができる「子ども神輿のペーパークラフトキット」を子どもたちの為に設計した。幼児でも組み立て易い様に、部品と組み立てを工夫したディテールで、頂部には折り紙の鳳凰を載せる。その型紙はネットでTokyoやNewYorkの子どもに届けられ、父親達の手を借りながらその地域で入手可能なダンボールから切り出して組み立てられた。いよいよやって来たお祭りの日、お神輿を担いだ子ども達は「わっしょい、わっしょい!」の掛け声と鈴の音を響かせながら練り歩き、お祭りは大いに盛り上がった。
お神輿を担ぐ時の掛け声「わっしょい」の「わ(和)」は協調、「しょい(背負い)」は肩で担ぐことを意味し、「和をもって尊きとする」という古くからの教えでもある。世界中で子どもたちの「わっしょい、わっしょい」という掛け声が響き、相互理解と協調の社会を作るきっかけになればと願っている。