写真 © Kunihiro Fukumori
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図面 © KURU

ENOWA YUFUIN

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場所
大分県由布市, 日本
2023

敷地は大分県由布市の温泉地の外れの中腹に位置する。面積約13,400坪、標高543mから585mという高低差のある敷地は、東に由布岳、南に湯布の街を一望できる風光明媚な立地条件。
ここに、「ボタニカルリトリート」をグランドコンセプトとした宿泊施設を計画することになり、そのコンセプトを継承し自然そのものの贅沢さを味わう「プリミティブラグジュアリー」を空間テーマとして設定した。

広い敷地にはレストラン棟や個室のレストランと9室の客室からなる集合棟、10室のヴィラ棟など宿泊施設としての機能を敷地の高低差に併せてそれぞれが調和するように分散して配置し、その内外にテーマに沿った樹木やハーブなどを取り入れた庭を配置し周辺環境と溶け合うボタニカルなランドスケープを形成した。
各客室は、自然素材である木の無垢材の力強さや、石の優雅な表情、土壁の持つ温かみといった自然素材本来の豊かさが互いに響きあう空間表現を目指すことで、プリミティブな豊かさを備えた非日常空間を実現。
また、その空間には絵画性の強いアート作品を取り入れ共存の可能性を追求することで、テーマであるプリミティブラグジュアリーを一層強く感じれるよう計画した。

中でも本施設のメインとなるヴィラ棟は、客室に大開口の窓を設け由布岳や湯布の街を一望できるテラスを設けることで外部空間との一体化を図りつつ、敷地内の豊富な高温温泉水を利用し、自然冷温装置である湯雨竹(ゆめたけ)で適温に調整した100%かけ流しの天然温泉の露天風呂と温水プールを設けることで圧倒的な自然空間を取り入れた優雅な空間とした。

近年テクノロジーの進歩に伴い多様な物事を間接経験として瞬時に大量に経験できるようになった現代だからこそ、人間本来の時間の流れと五感を味わうプリミティブな空間と経験が、ラグジュアリーとして感じれるのではないかと考えている。

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