写真 © Miurashin Architect + Associates
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ホテルリズベリオ赤坂

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場所
東京都港区, 日本
2015

赤坂の中心部に建つビジネスホテルである。敷地はみすじ通りに面した旗竿敷地であり、街並みへのアピールにはいささか不利な状況だ。ターゲットはアートやデザインに感度の高い人々、それから海外からのゲスト。

画一的でないこと・不完全であることを軸に、都市の中の特異点のようなホテルでありたいと考えた。差異化を争う場の中で、微妙なズレ・偏差のようなものが却って特異性を発揮するとの考えだ。

敷地形状に合わせ、ふたつのボリュームを配置した。竿部にはただただ抽象的で寡黙で静的な黒い量塊を、旗部にはバラバラの窓を穿った、揺れるような動的なRCの量塊を置いた。対比的な両者は、いずれも周辺の環境に対し、僅かな差異を生みだしている。

黒い量塊の下にはレストランを配し、アプローチ側へ全面開放する。賑わいを横目に奥へと誘導され、控えめなホテルロビーへと導かれる。隠れ家のようなあり方である。

都心に於いて限られたスペースを最大限活かすことは重要な課題だ。ロビーはガラス壁越しにレストランにまで視覚的に拡張されるよう計画している。基本的な客室は二種類のユニットからなる。双方とも水廻り部分を取り込むことで寝室部分を拡張する試みだ。ひとつは水廻りを細く帯状に配し、全面をガラスで開放する。シャワーユニット、洗面、トイレがあたかもショーケースのように並ぶユニークなレイアウトだ。もうひとつはシャワーユニットを中心に入れ子状に構成し、引戸を開放すると自立壁のようになり、寝室と一体的に感じられるよう意図した。

全ての部屋は、窓の配置が異なり、異なるアートワークが描かれている。訪れる度になにか新しい刺激がある、そんなオリジナリティのあるホテルを目指している。

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