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神奈川県川崎市, 日本
- 建築家
- 山縣洋建築設計事務所
- 場所
- 神奈川県川崎市, 日本
- 年
- 2010
視線の錯綜体
車が趣味の旦那さんとパティシエの奥様、元気な6歳の女の子と3歳の男の子の4人家族のための住宅である。旦那さんはオープンカーのためのビルトインガレージを、奥様はケーキ教室ができる広く道路から見えるキッチンを希望された。また子供たちは子供部屋にブランコがほしいとか、下の階が見えるガラスの床がほしいと無邪気に言った。
敷地は駅から少し遠いが比較的広い区画が続く良好な住宅地の中にある南と東を道路に接する角地である。東側の道路は幅員10mの幹線道路で比較的交通量が多い。将来、ケーキ屋さんかケーキ教室を自宅でやることを夢見ていた奥様はこの交通量が多いことが気に入ってこの敷地を選ばれた。
敷地の南側に3台分の駐車スペースを確保し、建物を北側に寄せている。正方形に近い平面形状であるが、その平面を3×3のマトリックス状に分割している。その結果、一辺が2.7~3.2mの単位空間となっている。それぞれの床レベルを操作することにより、斜め方向に視線が抜けていく構成となっている。3つの異なる領域を横断するような視線の抜けが生まれ、その抜けは場所によっては、空や前面道路など敷地外までつながっていく。
なるべく単純な空間構成と操作により、より多様な空間や場所を生み出すことに関心がある。この住宅では“見えるけれど直接は行けない”空間の関係をたくさんつくることにより、視線が錯綜し、日常生活の中に一瞬立ち現れる思いがけないシーンが多様な空間を生み出すことを期待した。
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