麓の大屋根
中部地方, 日本
- 建築家
- 納谷学/納谷建築設計事務所
- 場所
- 中部地方, 日本
- 年
- 2024
海外生活が長かったクライアントが日本に帰ってきて、終の住処に山間の生活を選びました。
我々はこれから迎える老後の生活を頭の片隅に置きながら、静かにゆったりと流れる時間を豊かな空間で過ごしてもらいたいと考えました。
プランは、建築のほぼ中央にアクティブスペースを通し、北側をプライベートスペース、南側をLDKにして広いバルコニーとデッキテラスを設けています。
アクティブスペースには5つのトップライトを設けました。そこから落ちる光は、内部の境界壁の上部を半透明にすることで大きな屋根の気積がもつおおらかな光に変換され、この住宅全体を包みます。南側のLDKも北側のプライベートスペースも、天候に関わらず空間上部からの柔らかい光が届きます。
南に大きく開放したLDKには、大きな屋根から延びた深い庇の下のバルコニーを設け、光あふれるデッキテラスを併設しています。
敷地は南向きの斜面で、隣家が正面にあります。敷地内には、山ぼうしをシンボルツリーに山梨に自生する木々を散りばめ、敷地内から出た石は積極的に利用しました。木々は高低差を読み込みながら隣家や道路側からの視線から緩やかに守るように配置し、彼女が自然にやさしく包まれた豊かな生活を送れるように心掛けました。
「麓の大屋根」は、一つ一つの空間を大きくゆったりと繋ぎ、おおらかな屋根で包み込む彼女らしい住宅を目指して辿り着きました。
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