四季真觀

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場所
高雄市, China
2017

台湾高雄市の澄清路あたりでは、19階建てのこの建物はひと際高く、あらゆる方向から見える。すっくと伸びる縦のラインを強調したデザインにより、建物は見る方向によって姿を変える。また縦の壁たちの微妙な凹凸が開口部に影を落とし、直射日光が入りにくいようデザインしている。陽ざしの強い高雄の気候への配慮である。

その凹凸のせいで各戸の平面形はよくある四角形ではなく不思議なかたちになり、消費者に受け入れられるかという危惧もあったが、予想以上の売れ行きとなった。上部に向けて細くなっていくボリューム操作によって、住戸タイプも通常以上に多くなった。

クライアントに求められ書いた文章が、エントランス付近に設置されていたのはうれしい驚きであった。

「私はいつも多様性について考える。
人が一人一人異なるように、住まいにもあるべき多様性とは何か。
私はたくさんの線を描いた。
それらは前後に重なって襞をつくり、角度によって変化する繊細な表情を与え、独自のスカイラインを表し、室内に風と陰影を導く。
高雄の地に記した私の線たちが人々の暮らしに、都市景観に、喜びをもたらすことを祈る。」

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