牛久の家
プロジェクト一覧に戻る- 場所
- 茨城県, 日本
- 年
- 2011
敷地は南側ひな壇の郊外住宅地で、東南の角地である。建物本体は、街に自然と溶け込むように道路の傾斜に合わせてスキップフロアの平屋建てとし、ボリュームを抑え、全体を片流れの大屋根で覆った。
自然光の差し込む南側にはオープンなリビングダイニングと客間、北側にはプライベートな寝室や書斎、水回りを配置し、それらを繋ぐ中間領域として玄関、キッチン、図書コーナーを配した。それぞれを完全に仕切ることのない回遊プランだが、床の段差や窓から入る光量の変化によって、場所により少しずつ異なる雰囲気をもつ。
リビングダイニング南面の大開口には障子や経木簾戸を仕込み、季節ごとに居心地の良いよう自ら設えることができる。また玄関上や寝室にはトップライトを設け、建物の奥にも光が落ちるようにしている。それらの光は、柔らかな表情の大谷石やしっとりと光を反射する漆喰、そして鈍く光る天井のラワン材によってバウンドさせられ、空間全体を包み込む。